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優れた日本製の特殊医療針を
世界のマーケットへ提供し、
世界中の医療現場を支える。

株式会社ユニシス

回答者
代表取締役 齋藤 英也
事業内容
医療器具製造・輸出・国内販売

想定を超える新型コロナウイルス感染症拡大のダメージ。医療を止めないために自社の役割を再考する

当社は脊椎麻酔や神経ブロックをはじめとする麻酔用針や不妊治療に使われる採卵針など使い捨て医療用特殊針を製造販売しています。製造は日本国内にこだわり、販売先は欧州や北米、南米など50カ国にも上ります。

1990年頃、医療雑貨を手がける商社から製造業へ転換。元々商社を祖業とする当社は、流通の重要性とりわけ欠品については注意を払っていました。それでも私がエレクトロニクス商社を経て当社に入社した2000年当時、欠品についてのクレームが非常に多く、医療関係の製品を取り扱う責任を強く感じました。欠品をさせない、そのためにも生産を止めないことを重要なミッションとしました。

当社にとって懸念されてきたのが、大震災や台風などにより操業停止になるリスク。当社の工場および物流・滅菌センターは埼玉県内にありますが、もしも首都圏で災害が起きたらかなりの影響が予想されます。そこで当社では、2011年の東日本大震災を契機に災害に際しても供給できるよう、日本列島の北から南まで10以上の協力会社を増やすとともに、どうしても外に出せない当社のコア技術については、2014年北海道の北広島市に工場を新設し対応することに。

「医療を止めるわけにはいかない」それが当社の一番の思いです。製品の欠品は医療現場を揺るがし、製品供給停止となれば企業の存続に関わります。どんな状況でも手術を止めないために、当社がいかに安定した高品質の製品供給を継続できるかは使命とも言えます。

景気に左右されないと言われる医療業界ですが、新型コロナウイルスは、医療業界および当社に多大な影響を及ぼしました。夏以降に世界中の感染拡大が加速してから徐々に売上が落ちました。コロナ禍により世界中で手術や生体検査が停止や延期になり、手術に必要な麻酔針の需要だけでなく不妊治療用の採卵針などの需要も減少。さらに当社のメインの販売先はヨーロッパ、アメリカ、ブラジルで、いずれも新型コロナの感染拡大が顕著な地域だったため、影響は大きい。特にヨーロッパがひどく前年比半分程度にまで落ち込んだほどです。しかし、売上が落ちた中でも次に求められるニーズにいつでも対応できるように万全の準備をしておくことを考えました。

目先のダメージ対策ではなく、次のニーズに対応できる企業であるために最大の投資

コロナ禍の状況だからこそ、次に備えて設備や体制を整えていこうと思いました。
当初、北海道工場は2014年の第1期工事では針先の製造を、東京2020大会後に製品の包装滅菌を行うための第2期工事を進める予定でした。埼玉のマザー工場と同様に、北海道工場でも注射針および金属の加工、組み立て、包装、滅菌まで一貫して行い、災害があっても万全の供給ができる体制の構築を目指しました。

コロナ禍で、この考えだけでは不十分だと感じました。感染拡大により欧米で製造が止まるとすぐに供給不足の懸念が生じてしまう。医療関係の製品が国内で生産されているか否かで、医療体制に影響を及ぼすということを目の当たりに。こうした状況を受け、経済産業省の北海道経済産業局からもお声がけいただき、この新規工場では供給不足が懸念された人工呼吸器に不可欠な人工鼻という器具の生産に取り組むことを先行させることにしました。人工呼吸器とマスクの間に挟んで使用する人工鼻は、ヨーロッパで使い捨ての製品が開発されて以降、日本では99%輸入に頼っており、国産品がほぼありません。感染対策として使い捨てが求められるようになったので、この人工鼻の需要は拡大しています。2020年5月から開発に着手するとともに、第二期工事の予定を変更し準備を進めています。2022年夏には人工鼻の製造を稼働する予定です。

今回のコロナ禍での気づきとして、当社の製品は手術系の麻酔科がメインでしたが、これからは麻酔科以外の領域にターゲットを広げていく必要性を感じました。そのためにまず必要なことは、ものづくりの現場を強くすること。現在、工程の見える化を進めるべく、デジタルツールを活用して、ものづくりの現場で誰が見ても自分が今やっている仕事に遅れがないかなどがパッと見てわかるような表示方法などの導入を準備しています。こうした取り組みを通じ、品質と効率化を向上させていきたいと思います。

大会が強靭な日本をアピールする機会であるように、当社も強靭な企業を目指して変革する

東京2020大会は無観客にしろどんな形にしろ、コロナを乗り越えて開催することで日本がいかに強靭な国であるかを世界に見せる良い機会になると思います。やはり日本のクオリティ、考え方や方法はすごいということが認識され、日本にとって飛躍の時期となっていくと期待しています。

当社も次の飛躍を目指して、これまでの特殊針のリーディングカンパニーという位置付けにとどまらず、扱う製品の領域を広げて、医療機器メーカーへの変換を指向していきます。「医療を止めてはいけない」という思いは不変であり、その使命を果たす領域をさらに広げて人々の健康をしっかりと支えたいという願いを抱いています。

  • 企業名 株式会社ユニシス
  • 所在地 〒 110-0016 東京都台東区台東4-11-4 三井住友銀行御徒町ビル7F
  • 創業年 1978年
  • 従業員数 189人
  • 業種 製造業
  • URL https://www.unisis.co.jp