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「当たり前の生活」を守るために、
厳しい環境下でも
水道工事で社会インフラを支えていく。

内田建設株式会社

回答者
代表取締役 内田 眞
事業内容
総合建設業(土木・建築工事設計施工)

東日本大震災で、当たり前に水が出ることの大切さを実感。コロナ禍での感染症対策をいかに進めるか

当社は土木・建築工事事業を行っていますが、最近多いのは水道工事です。2011年3月の東日本大震災発生の際はわずか10日後に東京都水道局の要請により福島県いわき市に社員を派遣し、被災地の水道の復旧に尽力しました。放射線濃度を測定するガイガーカウンターを携帯しながらの工事でしたが、生活に水は欠かせないもの。なんとか早く水道を使えるようにしなくては、という使命感でいっぱいでした。

その後、当時の東京都知事が提言した10年間で都内の水道の100%耐震化と、足立区発注の公園に非常用トイレに使用するための井戸やマンホールを整備するという防災対策工事が推進されることになりました。当社もその一端を担い、事業を展開しています。

私たちは普段、水道の蛇口をひねれば水が出るのは当たり前のように感じていますが、東日本大震災の時に被災地に赴き、その重要性を痛感しました。さらに今回の新型コロナウィルス感染症により、人々の生活の当たり前だったことが当たり前でなくなって、あらためて「当たり前の生活」の尊さを実感した人も多いのではないでしょうか。私もその一人です。

感染防止対策としてうがいや手洗いが奨励され、日本では外出先でもどこでもできますが、こうしたことは諸外国に比べてかなり恵まれた環境。水道から水が出るという当たり前の環境を維持するためには、水道工事という社会インフラの一端を担う当社が感染防止対策を徹底し、社員から感染者を出さないようにすることが最大の課題です。万が一、感染者が出たら現場の仕事がストップし、多大な影響が出て水道工事事業が遅延してしまうからです。

良いものはまずやってみる。日頃のチャレンジがコロナ禍でも生きる

感染防止対策として、まず2020年2月から公共交通機関による通勤を禁止し、徒歩、自転車、自動車のいずれかとしました。車を持っていない社員には会社の車を貸与。また、事務方はテレワークを導入して週2、3日の出勤に。実は当社ではコロナ禍に陥る前の2018年からテレワーク導入に取り組んでいたので、今回スムーズに行うことができました。都の助成金があったことも理由のひとつですが、社員が働きやすくなるなど、少しでも歩みを進めたり、改善につながるならまずはやってみようというのが私のやり方。日頃からこうしたチャレンジをしていたことが功を奏した形です。

現場の一番の課題は真夏のマスク。炎天下でマスクをつけて作業をすると暑さのため数分で息苦しくなり、熱中症のリスクも生じます。この辛さはやった人にしかわかりませんが、相当キツい。現場ではマスクをしつつ熱中症対策を行うことが必要でした。現場にミストを置く、ファン付きの作業着を支給する、こまめな休憩や水分補給などできることを全てやり、従業員が働きやすい環境づくりに努めて厳しい夏をなんとか乗り切ったのです。

また、勤務時間を杓子定規に適用するのではなく、仕事が早く終わったら早く帰ってもよいとか、会社に移動する機会を減らす直行直帰など、その時の状況に応じてフレキシブルな働き方を認めて、感染リスクの低減を図り、社内から一人の感染者も出すことなく工事を遂行。社会インフラを支えるという当社の使命を果たしていると自負しています。

当たり前の幸せを維持できる社会の実現に向かって

東京2020大会に向けて、取り組んでいることがあります。2017年に、日本オリンピック委員会(JOC)によるアスリートの就職支援制度「アスナビ」で陸上女子三段跳び選手の森本麻里子を採用しました。森本が入社してからは年1回の日本選手権への応援遠征を社員旅行とし、全社員が揃いのタオルとTシャツで観客席から応援。それが社内の連帯感を強め、今回のコロナ禍のような事態でも社内の温かい雰囲気作りに役立っていると感じています。2019年の福岡での日本選手権にも社員旅行で応援に駆けつけましたが、私たちの目の前で森本が初優勝、あの感激は忘れられません。

森本の東京2020大会での活躍も観たいと願っています。アスナビは企業の人材確保にも役立つ取り組みだと思いますが、入社した選手は会社にとって身近な存在であってほしい。社名が付いているユニフォームで試合に出る姿を観るだけでなく、普段から出社し身近にいるから応援できる。身近で頑張っている姿を知ることで、社員にとっても刺激になる。森本は、コロナ前は午前中出勤、午後は練習というスケジュールでした。本人は「選手としてだけでなく社会人の一人としてどういうふうに社会に貢献していきたいかが重要だと思います。そして私が活躍することが企業イメージ向上に貢献できたら嬉しいです」と言ってくれています。

コロナにより人と距離をとる生活がニューノーマルと言われていますが、人間古来の行動から考えてもノーマルとは言えないのではないでしょうか。人間は親しい人とは密に接したいものであり、それが人が人らしく生きるということ。距離をとる人間らしくない生活は私たちの世代で止めなくてはならない。これは大学の先輩である経営者の方の言葉の受け売りですが、まさしく同感です。次の世代の社会は豊かなコミュニケーションが楽しめるよう、私たちが今できることに努めていきたいと考えています。

水道が出るのが当たり前のように、人が仲よく接するのは当たり前、そんな当たり前の幸せを未来に繋げていきたい。当社もそのお手伝いをするために、従業員が気持ちよく働けるように努め、企業の発展を継続していくことが重要だと思います。

  • 企業名 内田建設株式会社
  • 所在地 〒 121-0813 東京都足立区竹の塚5-6-5
  • 創業年 1979年
  • 従業員数 19人
  • 業種 建設業
  • URL http://www.uchida-kk.co.jp